関西に住んでいても中々足を踏み入れない場所や、知っていても行った事がなかったり、Deepな人の溜まる場所であったりと様々なDeepな関西を紹介するDeep関西!
さて今日は、夏の終わりを告げる関西特有の行事、地蔵盆をご紹介したいと思います。
(ライターFT)
『夏の終わりを告げる地蔵盆』
めっきり涼しくなってきました。
と、言ってもきっと暑さはぶり返すような予感がしております。
今回、ひょんな事から判明したのですが、関西では地蔵盆という行事が8月の後半から行われます。
地蔵盆という名前の通り、子供達が主役になります。
色々と調べてみますと、この地蔵盆は主に近畿地方特有の行事のようです。
地蔵盆の発祥とされているのは京都です。
関西だけでなく、北陸地方や新潟、信州でも盛んにこの行事はとり行われています。
しかし関東、東海等では知らない方がほとんどのようで今回取り上げてみたいと思います。
何とも素敵な風習と言えば良いでしょうか、関西、特に大阪市内では8月後半(8/23〜8/24)から各町内で盆踊りの櫓を立て盆踊りが行われます。
面白い事に公園だけでなく、団地のちょっとした広場などにも櫓が立ち盆踊りが行われます。(えっ!こんな狭いスペースにまで?ってな場所にも櫓は立ちます)
メインは子供達になるので、お菓子や冷やし飴等の飲み物が振る舞われたり、地域によってはちょっとした仮装大会等が行われたりする子供達にとっては欠かせない夏のイベントになっています。
各町内の地蔵尊が祭られている場所を中心にお供え物や、配られたお菓子などを食べ福引や様々な子供向けのゲームが行われます。
大阪市内各所にはかなりの数のお地蔵さんがお祀りされています。
この地蔵盆、子供達はもちろん盆踊り好きの近所のおばちゃん達にも夏の大きなイベントの1つになります。
各町内でのイベント内容は異なるのですが、中にはカラオケ大会なども企画されている町内もあり、子供達だけでなく地域のおばちゃん達の楽しみの一つにもなっています。
幸い?うちの町内ではカラオケ大会はありませんが、友人の町内では酔っ払ったカラオケ好きのおばちゃんが大声で自慢ののどを披露しているとか(笑
結構、近所迷惑らしいのですがこの日だけは特別のようです。
友人曰く、
『あれはまさにジャイアン』
と言っておりました(笑
縁日のような雰囲気ではないのが残念なのですが、子供達はお菓子を貰えることもあり結構地蔵盆は楽しみにしている様子でした。
ちょっと笑えるのが盆踊りの選曲なんですが、子供達の為のイベントというのに
『どんどんぱぁ〜んぱん、どぉ〜んぱぁ〜んぱん』
なんて選曲です。
盆踊りなので正解と言えば正解なんですが、もっぱら楽しんでいるのはやはりおばちゃん達。
浴衣に着替え、完全におばちゃん達は本気モードで踊っています。
きっとこの日の為にかなりの練習を積んで来たと思います。
おばちゃん達の宴は夜の11時過ぎまで続きます。
私はさすがに子供達と9時過ぎには家に戻りましたが、盆踊りの宴は続きます。
京都などでは大阪よりも盛んに地蔵盆は行われているようで、京都の友人に聞いた話ですが町内会でお供え物としていくらかのお金を出すそうです。
1000円くらいのものですが、今年はお供えではなくご祝儀として包んで欲しいと要望があったりするようです。
ご祝儀になると1000円では済まなくなり、最低3000円くらいの出費になるようです。
地域によって様々な内容になっているようです。
お地蔵様を祭るとしてある町内では宗教行事を自治会の行事のなかでするのはいかがなものか、などの反対の声もあり、地蔵盆を取りやめる自治体もあるようです。
この地蔵盆、私自身無宗教なのですが関西の夏の風物詩としてとても味わい深い関西のイベントだと感じています。
子供達の安全を祈願し、町の人々の顔が分からない昨今、地域のふれあいや関わりを広げる素敵な行司と感じています。