イランとアメリカが戦争すると世界はどうなるのか?
(ライターFT)
【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか
イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたカセム・ソレイマニ司令官をアメリカが殺害したことによって、これまで低強度で推移してきた両国の対立は劇的に悪化した。その余波はきわめて深刻なものになり得る(文中敬称略)。
報復が予想される。攻撃と反撃の連鎖で、両国は直接対決に近づく可能性がある。イラクにおけるアメリカ政府の将来にも疑問符がつくようになる。そして、中東におけるドナルド・トランプ米大統領の戦略は、もし戦略があるのならば、かつてないほど試されることになる。
オバマ前政権でホワイトハウスの中東・ペルシャ湾政策を調整していたフィリップ・ゴードンは、ソレイマニ殺害はアメリカからイラクへの「宣戦布告」のようなものだと言う。
コッズ部隊は、革命防衛隊の海外作戦を担当する。レバノン、イラク、シリアと場所を問わず、攻撃を計画したり現地の親イラン派を後押ししたりして、イランの影響力拡大を推進した。その中心に長年いた立役者こそ、ソレイマニだった。
🌟【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか BBCジャパン
イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたカセム・ソレイマニ司令官をアメリカが殺害したことによって、これまで低強度で推移してきた両国の対立は劇的に悪化した。その余波はきわめて深刻なものになり得る(文中敬称略)。
報復が予想される。攻撃と反撃の連鎖で、両国は直接対決に近づく可能性がある。イラクにおけるアメリカ政府の将来にも疑問符がつくようになる。そして、中東におけるドナルド・トランプ米大統領の戦略は、もし戦略があるのならば、かつてないほど試されることになる。
オバマ前政権でホワイトハウスの中東・ペルシャ湾政策を調整していたフィリップ・ゴードンは、ソレイマニ殺害はアメリカからイラクへの「宣戦布告」のようなものだと言う。
コッズ部隊は、革命防衛隊の海外作戦を担当する。レバノン、イラク、シリアと場所を問わず、攻撃を計画したり現地の親イラン派を後押ししたりして、イランの影響力拡大を推進した。その中心に長年いた立役者こそ、ソレイマニだった。
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イランとアメリカは1953年までは仲が良かった。親米政権だったのです。
英国資本のAIOC(アングロ・イラニアン・オイル会社、現:BP)、膨大な石油利権を持っていたAIOC(アングロ・イラニアン・オイル会社、現:BP)にイランは資産の国有化を断行します。
アメリカはモハンマド・モサッデク首相を自分たちの都合のいいように据え、傀儡政権を目論んでいたのですが、モハンマド・モサッデク首相は失脚、これによりアメリカはイランの石油利権を独占しよ鵜と目論みます。
アメリカはイスラム教と政治を切り離した国に作り替えたいと思うのですが、アメリカの傀儡政権と脱イスラーム化と世俗主義による近代化政策を取り続け、パフラヴィー皇帝は、自分の意向に反対する人々を秘密警察によって弾圧し、近代化革命の名の下、イスラム教勢力を弾圧し排除します。
冷戦下の1970年代当時はアメリカ合衆国とソ連の覇権争いと、その勢力圏下の国や民間組織が、アメリカ合衆国やソ連の代理としての戦争や軍事紛争、政治的・経済的な紛争が世界的に発生・継続していた国際情勢だった、国民は反米・反キリスト教を掲げ当時のソビエト連邦にも依存せずに米ソのどちらの勢力にも加わらない中立の姿勢を堅持、第三世界の自立性の強化を歴史的に実証し、当時第三の勢力として実力をつけつつあった第三世界の傾向を強烈に示したのがこの革命だった。
完全にアメリカがこの革命に負けたと言えます。
イランはアメリカを国内から排除したのです。
もちろん、この革命の指導者はブッシュ前大統領から悪の枢軸呼ばわりされたルーホッラー・ホメイニー師である。
このように記載すると、イラン悪くないと思えます。
イランは近代化から宗教を元にした政策に転換します。
モハンマド・レザー・パフラヴィー皇帝の独裁的な西欧化政策に対する不満を表明する。その後1963年に、皇帝が宣言した「白色革命」の諸改革に潜むイラン皇帝の独裁的な性格を非難、抵抗運動を呼びかけて逮捕される。この時は釈放されるものの政府批判を続け、翌年1964年、ついにホメイニーの国民への影響力を恐れたパフラヴィー皇帝から拉致され、国外追放を受け亡命したのです。
イランとアメリカが戦争すると世界はどうなるのか?
(ライターFT)
アメリカがもたらすイラン危機
イランの対外政策の柔軟性
1979年4月1日にイラン・イスラム共和国の樹立が宣言されてから、40年が経った。この間、イランはパーレビ王朝を支えたアメリカとは対立関係であり続けている。この両国間の対立にはいくつかの転換点がある。その点に注目すると、最高指導者のホメイニ師、ハーメネイ師の両時代を通じて、その対外政策は主にアメリカもしくは同国と同盟関係にあるイスラエルの対外行動をめぐるものとなっていることがわかる。
ホメイニ氏時代には、1979年10月にパーラビ元国王らをアメリカが受け入れたことに反発し同年11月、テヘランのアメリカ大使館占拠事件が起きた。その後、イラン・イラク戦争中の1986年にイラン・コントラ事件が発覚、87年10月および88年4月にはアメリカ軍によるイランの油田掘削施設への攻撃、88年4月にはイラン艦艇撃沈事件が起きている。
イラン革命後のこうした出来事の中、ホメイニ師は革命体制を守るためにイラク戦争の継続と反アメリカ、反イスラエルという基本姿勢をとっていく。しかし、88年7月3日、アメリカ軍のミサイル巡洋艦によりイランの民間航空機が撃墜されたことで、イラン国内に衝撃が広がる中、7月18日にイランは停戦を求める国連安保理決議598号を受諾したのである。ホメイニ師にとっては苦渋の政策転換といえる。
ホメイニ師の後を継いだハーメネイ師にとっての対外的な政治課題は、(1)アメリカやイスラエルからの軍事攻撃の回避と、(2)国際的な経済制裁による経済低迷の打開である。このうち後者は、現在に至るまで国内政治に影響を及ぼし続けている。とりわけ、2010年6月9日に採択された国連安保理決議1929号では金融分野も対象とされ、イランの通貨は大きく下落し、2012年3月には国際銀行間通信協会(SWIFT)もイラン金融機関へのサービスを停止した。こうしたイラン経済の悪化を背景に、ハーメネイ師は、2013年8月に大統領に就任したロウハニ師をオバマ政権との核開発問題の交渉に向かわせるという政策転換を行った。
アメリカとイランの応酬
2019年に入り、トランプ政権は4月8日にイランの革命防衛隊をテロ組織に指定すると発表し(実施は同月15日)、同月22日にはイラン産原油禁輸免除措置の完全撤廃、5月5日には空母打撃群およびB52爆撃機、パトリオットミサイルの中東地域への配備を発表した。
一方、イランはアメリカの核合意離脱から1年目を迎えた2019年5月8日、国家安全保障最高評議会が、核合意維持国に対し、自国の利益や安全保障の確保、ならびに核合意(「共同包括行動計画(Joint Comprehensive Plan of Action: JCPOA)」)26条と36条に定められた自らの権利にのっとり義務の一部履行を停止すると、関係大使に書簡を渡すかたちで通告した。またロウハニ大統領は同日、国営テレビを通しその内容を国民に公表した。
イランが公表した重要点は次の通りである。
(1)濃縮ウランと重水の売却を停止する、
(2)とりわけ銀行、石油の分野で取り決めが履行されれば停止は解除する、
(3)それについて60日以内に成果がなければ段階的に合意を停止する、
(4)次の段階はウラン濃縮度を3.67%で抑えることの解除、およびイラン中部のアラク重水炉建設計画を再開する、
(5)イラン核開発問題を再び安保理意付託すれば断固たる対応をとる、
(6)あらゆるレベルでの協議継続の用意がある[2]。
このイランの発表は、核開発の再開の表明と報じられるむきもあるが、むしろ、自らは核合意を遵守してきた一方、国際社会は履行していないと訴え、その履行を求めたものといえる。
こうしたイランの核合意に関する新たな動きに対し、アメリカは5月8日には、イランの鉄、鉄鋼、アルミニウム、銅を経済制裁の追加対象品目とすること、同月24日には中東地域の米軍の安全確保目的にアメリカ軍1500人を増派することを発表し、イランに対する圧力を強めている。
🌟国際情報ネットワーク分析 IINA
イランの対外政策の柔軟性
1979年4月1日にイラン・イスラム共和国の樹立が宣言されてから、40年が経った。この間、イランはパーレビ王朝を支えたアメリカとは対立関係であり続けている。この両国間の対立にはいくつかの転換点がある。その点に注目すると、最高指導者のホメイニ師、ハーメネイ師の両時代を通じて、その対外政策は主にアメリカもしくは同国と同盟関係にあるイスラエルの対外行動をめぐるものとなっていることがわかる。
ホメイニ氏時代には、1979年10月にパーラビ元国王らをアメリカが受け入れたことに反発し同年11月、テヘランのアメリカ大使館占拠事件が起きた。その後、イラン・イラク戦争中の1986年にイラン・コントラ事件が発覚、87年10月および88年4月にはアメリカ軍によるイランの油田掘削施設への攻撃、88年4月にはイラン艦艇撃沈事件が起きている。
イラン革命後のこうした出来事の中、ホメイニ師は革命体制を守るためにイラク戦争の継続と反アメリカ、反イスラエルという基本姿勢をとっていく。しかし、88年7月3日、アメリカ軍のミサイル巡洋艦によりイランの民間航空機が撃墜されたことで、イラン国内に衝撃が広がる中、7月18日にイランは停戦を求める国連安保理決議598号を受諾したのである。ホメイニ師にとっては苦渋の政策転換といえる。
ホメイニ師の後を継いだハーメネイ師にとっての対外的な政治課題は、(1)アメリカやイスラエルからの軍事攻撃の回避と、(2)国際的な経済制裁による経済低迷の打開である。このうち後者は、現在に至るまで国内政治に影響を及ぼし続けている。とりわけ、2010年6月9日に採択された国連安保理決議1929号では金融分野も対象とされ、イランの通貨は大きく下落し、2012年3月には国際銀行間通信協会(SWIFT)もイラン金融機関へのサービスを停止した。こうしたイラン経済の悪化を背景に、ハーメネイ師は、2013年8月に大統領に就任したロウハニ師をオバマ政権との核開発問題の交渉に向かわせるという政策転換を行った。
アメリカとイランの応酬
2019年に入り、トランプ政権は4月8日にイランの革命防衛隊をテロ組織に指定すると発表し(実施は同月15日)、同月22日にはイラン産原油禁輸免除措置の完全撤廃、5月5日には空母打撃群およびB52爆撃機、パトリオットミサイルの中東地域への配備を発表した。
一方、イランはアメリカの核合意離脱から1年目を迎えた2019年5月8日、国家安全保障最高評議会が、核合意維持国に対し、自国の利益や安全保障の確保、ならびに核合意(「共同包括行動計画(Joint Comprehensive Plan of Action: JCPOA)」)26条と36条に定められた自らの権利にのっとり義務の一部履行を停止すると、関係大使に書簡を渡すかたちで通告した。またロウハニ大統領は同日、国営テレビを通しその内容を国民に公表した。
イランが公表した重要点は次の通りである。
(1)濃縮ウランと重水の売却を停止する、
(2)とりわけ銀行、石油の分野で取り決めが履行されれば停止は解除する、
(3)それについて60日以内に成果がなければ段階的に合意を停止する、
(4)次の段階はウラン濃縮度を3.67%で抑えることの解除、およびイラン中部のアラク重水炉建設計画を再開する、
(5)イラン核開発問題を再び安保理意付託すれば断固たる対応をとる、
(6)あらゆるレベルでの協議継続の用意がある[2]。
このイランの発表は、核開発の再開の表明と報じられるむきもあるが、むしろ、自らは核合意を遵守してきた一方、国際社会は履行していないと訴え、その履行を求めたものといえる。
こうしたイランの核合意に関する新たな動きに対し、アメリカは5月8日には、イランの鉄、鉄鋼、アルミニウム、銅を経済制裁の追加対象品目とすること、同月24日には中東地域の米軍の安全確保目的にアメリカ軍1500人を増派することを発表し、イランに対する圧力を強めている。
🌟国際情報ネットワーク分析 IINA
こうした状況下の中でトランプは
■作戦はどのように実施されたのか?
米国防総省は今回の作戦がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の命令によって実施されたことを明言する一方で、作戦の詳細な内容は明らかにしていない。
🌟【解説】米のイラン司令官殺害 前例なき作戦が生む疑問
米国防総省は今回の作戦がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の命令によって実施されたことを明言する一方で、作戦の詳細な内容は明らかにしていない。
🌟【解説】米のイラン司令官殺害 前例なき作戦が生む疑問
上記のような作戦を決行する。空爆での殺害だったらしいが、攻撃には無人機が使用されたと報道されている。
今後どうなるのか予測は困難と言われているが、ソレイマニ殺害はアメリカからイランへの「宣戦布告」と受け取っているはずだ。米政府からすれば、ソレイマニは大勢のアメリカ人を死なせてきた、血染めの張本人、アメリカによる制裁や圧力に対抗するイランの反撃を主導してきた存在となる。
我々が気になるのはアメリカとイランだけではく、各国をも巻き込んだ戦争状態になることを恐れている。
ソレイマニ司令官の殺害。ニューヨーク・タイムズによると、ソレイマニ司令官の殺害はアメリカ軍幹部がトランプ大統領に提示した“最も極端な計画”だったという。
あのトランプの判断が自分の選挙再選の為だというオバマ前大統領の指摘もある。もしそうならトランプは自分の再選の為に第三次世界大戦にもなりかねない危険な選択で、アメリカ史上最も最低最悪な大統領ではないか。
第三次世界大戦の可能性としては、イラン側がどの程度の報復を行うかによるのではないかと言われている。イランの報復はテロというやり方が選択されるだろう。イラン革命防衛隊がアメリカ軍と直接衝突するとなると、戦争にエスカレートしてしまうのは間違い無いだろう。
トランプが本当に自身の再選の為、ソレイマニ司令官の殺害なら絶対にアメリカはトランプを再選させてはいけない。アメリカ国民がトランプを再選させるのであれば世界は戦争へと突き進んでいく可能性が高くなる。アメリカ好きな我々は、トランプがそこまでの狂人ではない事を信じたいが、イランの言い分も理解しておく必要がある。
欧米がイランにしてきた事を考えれば、イランが欧米に対し不信感を持つのは当たり前のことであり、経済力や軍事力で劣るイランはテロという行為を選択するのは当然と言える。
世界の人々をテロの恐怖に陥れる原因が今回のソレイマニ司令官の殺害が発端となることは間違いのない事実である。