悪縁を断つ寺 鎌八幡 昨年の続き 修さんに捧ぐ 第2章 その2 :: デイリーSKIN

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[2009年06月16日00時00分00秒]
悪縁を断つ寺 鎌八幡 昨年の続き 修さんに捧ぐ 第2章 その2

ここからは悪縁を断つ寺 鎌八幡 昨年の続き 修さんに捧ぐシリーズになります。

(ライターFT)

 
『悪縁を断つ寺 鎌八幡 昨年の続き 修さんに捧ぐ 

     第2章 その1』



小林政幸(仮名)の遺体が解剖室に横たわっていた。

元山は小林政幸(仮名)ことマサの遺体を眺めながら様々な思いを自身の頭の中でめぐらせていた。

「何故、こいつが死んだトイレに入ってしまったんだろう」

マサの死因は首吊りによる窒息死、それ以外にも奇怪な痣が脚と背中にあった。顔は首吊りにより圧迫し、元の表情が分からないほどに苦痛の表情だった。聞いた話によると自殺の方法として首吊り自殺が一番死ぬ確立が高く、確実に死ねるという話を聞いたことがある。

ずっと昔の話らしいが第2次世界大戦も末期の頃、東南アジア諸島で敵兵に囲まれ壊滅も時間の問題とされていた当時の逸話でこんな話がある。



ある日本兵は敵兵に捕らえられるくらいなら潔く自決の道を選んだ。

大日本帝国軍人らしく割腹自殺を図ろうとするが思い切り腹に短刀を突き立てられず失敗、そのまま近くの崖に近寄り飛び降り自殺をする。

しかし崖の途中にあった木に引っかかりこの方法も失敗。

腹から血を流しながら傷だらけになり飛び降りた崖をよじ登り、崖の上にあった大きな木に自分のベルトを巻き最後は首を吊ってやっとの事で絶命出来たというエピソードまである。

首吊り自殺はうまく頚動脈にロープを巻けば約15秒で意識が無くなる。苦しいのはその15秒間というのだ。そして確実に死ぬには首吊りが一番という事だ。



しかしマサの表情は悲惨な表情どころではない。きっと頚動脈を外していたのだろう。

絶命するまでに地獄の苦しみを味わっていたのだろう。表情が物語っている。

目は飛び出しそうなほど出ていた。顔は首が絞まることで起こる内出血で紫色に膨れあがり下半身は糞尿で汚れていた。

舌はマンガのように長くデロンと垂れ下がり、目も当てられない状態だった。

そこまでは理解出来る。

しかしだ!この痣はいったい何の痣なんだろう?

本山は解剖医では無いのでそこまではわからなかったが、横にいた解剖医の山下直明はそのマサの痣を見ながら不思議そうな表情を浮かべた。

『元山、この痣、一体なんだと思う?』

解剖医の山下が元山に尋ねた。

『分からん、しかし死ぬ前からあった痣じゃないのか?』

その痣というのが折り紙で作るヤッコさんのような形の痣だった。



足と背中に同じ形で同じサイズの痣だった。

解剖医の山下が考えるには死ぬ前からあった痣と解釈していた。死んでからの第一発見者は医師の元山だし、死体にそんなことをした形跡も無かった。

山下は続けて答えた。

『それにしても不自然すぎる痣だな、こんなはっきりした形の痣なんて見たことねーよな』

そう呟きながら山下は死因解剖を始めた。

その場にいる事が出来なかった元山は解剖室を後にした。

解剖室を出ると一人の貧相な男が元山に近寄って来た。

『あっ、刑事さん、今解剖が始まった所です』

元山はその貧相な男に無表情で答えた。警察での取調べはすでに終えている。その担当だったのがこの貧相ないでたちの刑事、川原だった。

遺体の検証をする際にもこの川原と一緒に元山は立ち会っていた。

そしてマサの足と背中にある痣も確認済みだった。川原刑事はその痣がどうしても気になっていたようだ。

『元山先生、あの痣はいったい何だったんですかね?』

元山は山下から聞いた事をそのまま川原刑事に伝えた。直接の死因とは関係ないこと、死ぬ前からあった痣ということを伝えた。

元山はマサの自殺についての自分の見解を川原に述べた。頚動脈を外したので死に至るまで地獄の苦しみだったのではないだろうかという事を伝えた。

後ろから看護士が元山を呼ぶ声がして振り向いた。

『先生、小林さんのご遺族らしき方がお見えになっておられますが』

看護士の声に驚いた表情を見せた。

『あの患者、遺族がいないという事だったのではないですか?』

元山が看護士にそう答えた。

『でもロビーでご遺族の方がお待ちになられていますよ、第一発見者と会いたいとおっしゃられてますけど』

不思議なことが多い。

この件とは早く終わりにしたい。警察も出てきたしいないはずの遺族まで出てきて面倒な事に巻き込まれたくない。そんな思いから元山は早く遺族に会って説明し、この出来事を忘れたかった。

ロビーに出ると腰が曲がった老婆がこちらを振り返るなり、不気味な笑みを浮かべながらしゃがれた声で元山にこう言い放った。



『苦しんで死んだんだろう』



元山は硬直していた。

その老婆の表情はまるで生きているような表情では無かった。少なくとも元山にはそう思えた。
















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