DV(ドメスティック・バイオレンス)について考える。 :: デイリーSKIN

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[2009年03月12日13時25分07秒]
DV(ドメスティック・バイオレンス)について考える。

『ハーレム』と聞いたら何を想像する?

女性に囲まれてとろける顔をしている男性?(このハーレムの英語のつづりはHarem) それともヒップホップファッションに身をつつんだ若者たちの街?(このハーレムの英語のつづりはHarlem)

黒人の都、ニューヨークのハーレムは人情あふれる面白い街。

今回は、DV(ドメスティック・バイオレンス)についてです。
(ライター:ナカムラアキツ)



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日本でどのくらい有名なのかはわからないけれど、先月、R&B会のアイドル、クリス・ブラウン(19)が彼女で、これまたビヨンセに続く歌姫リアーナ(21)を殴った事件があった。






この事件はものすごい衝撃をアメリカ社会に投げかけている。

あたしははっきりいって、クリス・ブラウンがどんな人というのはよくは知らないけれど、顔はかわいいし、歌もダンスもうまくって、いわゆるギャングスタ・ラッパーとは対局にいる人だなあと思っていた。
とくに、カースワード(Fワードともいう。フXXクとか、そういう汚い言葉)を使わない、いわゆる「クリーン」なイメージを出していたのだ。

ん〜、なんだか身近でないからイメージ沸かないなあ、という方、この例えではいかがでしょうか。

昨年の紅白まで出てしまった黒人演歌歌手ジェロ(You Tubeで見たけれど、歌、うますぎ〜、日本語うますぎ〜〜〜)。彼ってすごいいい人なイメージあるんだけれど、どうでしょう?

今回の事件がどのくらい衝撃的かいってみれば、そのジェロが浮気をして、付き合っていた彼女にそのことを問い詰められ逆ギレして、彼女の顔を何発も殴ったということ。

あたしは勝手にクリス・ブラウンに対して、ゲットー育ちとは違った黒人男子のロールモデルでいいなあと思っていたので、今回の事件は非常にがっかり。いや、がっかりってもんじゃない。本当に「クリス、お前もか!」って気分。裏切られたってやつですか?

ただ今回の事件が進むにつれて、彼の過去がはっきりしてくるわけなんだけれど、それによりと、クリス・ブラウンはDVの家庭で育ってきていたということ。

うろ覚えで悪いけれど、2005年だか2006年の調査に、高校生のカップルの1割くらいがパートナーからDVを受けた経験があるという結果が出ている。その多くがDVの家庭で育ってきているという結果も。

彼らの言い訳といして「暴力も愛情の一種」という認識があって「だから殴って何が悪い。だって親だってそうやっているし(そして別れていない)」という、第三者から見たらよくわからない、あまりにも自己中心的言い訳が渦巻いている。

もちろんDVは身体的暴力だけでなく、精神的暴力も含まれる。

ハーレムに住んでいると、いや、ハーレムだけでなく、いわゆる貧しいコミュニティーに住んでいる人たちの間には、目に見えない、また、自分では気づいていないDVがかなり深いところまで進んでいるんじゃないかと思う。

もちろん身体的暴力もあるけれど、どちらかというと、精神的暴力のほうが強いような気がする。

いろいろな問題が過去にあったとはいえ、ハーレムに住む人たちの多くの黒人たちは歴史的背景から精神的DVを受けてきたとも言える。その流れなのか、あたし的には多くの女性が、男性から精神的DVを受けていると思う。

例えば大きな問題であるシングルマザーの問題。

親になっても責任を取らない男性の多さ。仕事はしないのでお金がないんだけれど、なぜかマリファナを始めとしたドラッグには費やすお金はあるという矛盾。
もちろんお金が全てじゃないけれど、お金で解決できることは多くある。

でも、それを精神的DVだということをお互いが認識していないから、この問題が深いというのかややこしくなっている。たとえ女性のほうがそう訴えても、男性のほうは「何言ってやがる」と相手にしてくれないだろう。
とくに精神的なことだったら、いちいち日記をつけたりしないと「証拠」なるものが身体的と違ってないから、第三者にわかってもらえるようにするのは非常に大変。

あたしは、なんだか必要以上にお互いを傷つけあっているように思えるのは気のせいだろうか?

ところで浮気にしても、精神的DVなんじゃないのかって思っているんだけれど、どうなんでしょうね。

さて、話戻ってこのカップル、また復縁した。でもって、彼氏クリス・ブラウンの新しいアルバムでデュエットしているらしいよ、この二人。



曲を作ったのがDVの前だから、というのがクリス側の話らしいけれど、テレビ界のご意見番、オプラ・ウィンフリーが自分の番組で復縁したことに対して反対していて、果たしてどうなることやら。

一度暴力をふるった人間が、二度としないと言えるのだろうか? 
また絶対同じことが起きるというのがオプラを始めとした多くの意見。

あたしもそう思っているので、なんで復活を、と思ってしまった。

ま、好きだった人を断ち切るのはなかなか大変なので、リアーナなりにも思うところがあっただろうけれど……。

今回の事件を通して思ったのが、暴力の連鎖の怖さ。
どんな理由があっても、子どもの前ではパートナーに対して暴力(それが身体的、精神的であれ)をふるってはいけないということ。

マイケル・ジャクソンがあんな風に壊れてしまったのも、親からの暴力を受けたことであって、今更ながら怖いと思った。

しかしクリス、クリーンなイメージでもはや復活はできないだろうなあ。セサミ・ストリートまで出いたのに、もうダメでしょうな。
これからは「ヒール(憎まれ役)」にでも変身するのかな。

なかなか黒人青年のロールモデルっていない、のねえ……。


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◇ブログも書いています。
『ハーレム通信』

◇イラストを使ったTシャツも作っています(ベイビー、キッズ、ガールズそしてメンズ)。
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