戯言 :: デイリーSKIN

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[2008年09月09日00時00分00秒]
戯言


皆様、暑い日が続きます。

 ここ最近、忙しくて取材で出れていません。

 Deep関西は?

 というメール、多数寄せられています。

 皆様、読んで下さり本当にありがとう御座います。

 感謝です。

 次週は必ず取材に出かけ、Deepな関西をレポートして

 参りたいと思います。

 今週は私の戯言にしばしお付き合い下さい。


 
              戯言





愛情をかけられずに育ってしまった人はどんな大人になるのだろう。

 寂しがりやさんになるかも知れない。

 小学生の頃、4度転校した事がある。
親の都合でだ。常に新しい学校にいくといじめられる。
低学年まではずっとそうだった。やり返せないでいた。高学年になり、始めて反撃した。気づくと3階からいじめっ子を落としてしまい、大怪我させてしまった。

 それからはいじめはなくなったけど、まわりの目はがらりと変わってしまった。気軽に喋りかけても貰えなくなった。担任の先生の目も確実に変わった。完全に”問題児”として見られていた。児童相談所に連れて行かれ、あらゆる心理テストをさせられたり、長い時間通う羽目になってしまった。

 そうやって段々と友達も少なくなっていった。

 その児童相談所で唯一、友達になった奴がいる。
そいつは学校に火をつけて連れてこられたようだ。もの凄い火事になったらしい。校舎の1/3を焼くほどの火事を起こしたようだ。

 彼の祖母は優しい祖母だった。
そいつの親が育てる事を放棄し、祖母が引き取り、彼を育てていた。オレにも優しくしてくれてとてもいいおばあちゃんだった。その年老いた祖母は彼が小学校5年生の時に亡くなってしまった。

 それからその彼は身寄りの無い子供達が集まる”学園”と呼ばれる所で暮らし始めた。実はその学園、オレが住んでいた区内にあり、学校は違ったけど近所なので良く遊んでいた。

 そいつとは何故か親の話は一切しなかった。
オレも彼もしなかった。暗黙の掟のようだった。

 それから中学生になり、段々と彼とは疎遠になっていった。
20歳を過ぎ、ミナミの居酒屋で飲んでいるとどこかで見た事があるような奴が向かいのテーブルに座っていた。誰だったか思い出せないでいた。

 過去の記憶を引きずりだし考えた。

 彼だった。スタイルは完全にチンピラヤクザそのものだった。オレは長髪のハードロック野朗だった(笑

 あまりに長い時間、彼を見つめていたのできっと腹がたったのだろう。彼はオレに『なんやぁ〜、コラッ、ジロジロ見るなやぃ』と悪態をついた。

 オレは嬉しさのあまり『オレや、オレや!』と彼に言った。彼は一瞬で人懐っこい笑顔に変わり、人目を気にせず、お互いにハグし、握手し、再会を喜んだ。

 その日、当時の彼女と居酒屋に入ったのだけど、付き合い始めた彼女そっちのけで彼と何時間も話した。別れ際、名刺を差し出してきた。その名刺は、薄い木製の名刺だった。たこ焼きの舟の素材のような名刺だった。『何かあったらすぐ、電話してくれや』と、人懐っこい笑顔でオレにいった。完全にその筋の人間になりきってしまっていた。

 懐かしい話をしながらその世界の話も出てきたので分かっていた。

 人は色々な道を選択する事が出来る。その道を歩き始める最初に、手を繋いでくれる人がいれば彼は険しい道を歩かなくて済んでいたかも知れない。彼の親は彼を育てる事を放棄した。それから彼の手を取り道しるべになるはずの祖母は死んでしまった。

 一人で生きていく為に彼はどの道を行けば良いのか自分で探さなくてならなかった。そこで先の見えない道を小さかった彼は恐怖と戦いながら歩いてきたのだと思う。

 強い大人なら『行けば分かるさ』なんてアントニオ猪木の言葉もうなづける。しかし、子供は少し手を繋いでやらないと不安に押しつぶされてしまう。

 幸いオレは3番目の新しい母親がしっかりと手を繋いでくれた。

 色々とあったけど、とても感謝している。

 その彼は、29歳の時、犯罪を犯し、18年の実刑判決を受けた。現在も服役している。もう、10年も刑務所暮らしだ。刑が確定するまでは拘置所に拘留される。面会にも行ける、2度だけ顔を出した。彼はとても喜んでくれ、出てきたらまた酒のもーと約束した。

 親が子供を育てる事を放棄するのは許せない。
 
 親は子供の手を取って道に迷わないようにしっかりと子供の手を離してはいけない。

 稀に親は子供の手をはなしてしまう。離してはいけないと分かっていながら。

 簡単な事だけどわかっているようで分かっていない事なのだ。















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