いくつもの無法地帯を渡り歩く、左拳銃の男… 彼の本当の目的は復讐だった!
「神よ、俺はいつだって先に銃を抜いたことは無いぜ…」
(ライター:チュロス)
(スタスタと歩く男はお尋ね者)
「俺はこの町でもお尋ね者か」
「しかし、やつは必ずこの町にいるはずだ…」
「必ず見つけ出してやるぜ!」
(保安官事務所前)
「ふぁ〜、今日も一日平和でありますよう…」
「!!!」
「むむむ!ありゃ〜よそ者だな」
「待ちなよそ者!ここじゃ銃を預ける決まりになっている…」
(保安官が男の方へ歩み出て顔を見合わせたその時)
「ハッ!!!」「むむ!!!」
「やっぱりこの町にいやがったな、へっぽこウサギのトニー!」
「ココであったが100年目、いや3年目!親分の仇だ!覚悟しやがれ!」
「ふへっへっへ、おめーがまだ生きてたとはなぁ〜、早撃チュロッキー」
「3年前に、おめぇ〜んとこの親分と一緒に炭鉱に埋っちまったはずだぜ〜」
(と、いいながらへっぽこウサギのトニーは気づかれないようにそっと拳銃に手をかけた)
「昔の俺とは違うぜチュロッキー!」
「俺は今じゃ保安官、おめぇはタダのお尋ね者よ!」
(覚悟しやがれと、そっと触れていた拳銃を
チュロッキーより先に抜いたかと思うと弾丸は放たれた!)
「やっぱり、おめぇは何にも変わっちゃいねぇな!へっぽこトニー!」
「おめぇの弾筋は3年めぇと何にも変わっちゃねぇ!」
(そう言いながら、弾をよけると同時に親の譲りの拳銃コルトSAAをぬいたチュロッキー!)
(その弾は、みごとにトニーの額の真ん中を貫いたー!)
「フンゲェ〜」
(あわれ、へっぽこウサギのトニーは一撃であの世行き!)
「あと、5人…」
「親分の仇があと5人…」
「きっと見つけ出してやるぜ!」
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(隣町で親の敵、ビック・マクドーウェル一家のトニーを倒したチュロッキーは3年ぶりにドナーズの町へ帰ってきた。しかし…)
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「ひさしぶりだな、この町も」
「しかし、妙だな誰もいやしねぇ」
「わーい!チュロッキー!」
「おぉ!チュロッキー!よく生きていてくれた!」
「。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。エーン!!」
「一体どこで何をしていたんだチュロッキー!」
「オルドー・ファッショ一家が炭鉱跡で死んでしまったと聞いて心配していたんだぞ!」
「久しぶりだなニコ!ポデリン町長!」
「オルドー親分が死んじまった後、マクドーウェル一家がこの町でのさばってやがる」
「おまけに、男手はみんな金鉱へ連れて行かれちまったんだ」
「そうだったのか…」
「オレは炭鉱でやられた時、記憶をなくしちまった」
「それから3年、記憶が戻ってやっと帰ってこれたわけさ、すまねぇ」
「どうだい、チュロッキー この町で保安官になってくれんか!」
「わーい!」
「…」
「すまねぇ、そいつはできねぇ相談だ…」
「お尋ね者が保安官になるなんて事はできないぜ」
「それに…」
「オレは親分の敵をとらなくっちゃ〜ならねぇ!」
「マクドーウェルの頭にこいつの弾をぶち込んでやるのさ!」
「言い出したらきかないのがお前さんだ…」
「。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。エーン!!」
「じゃあな、町長さん、ニコ、おれは行くぜ」
「まちな、チュロッキー、金鉱までは大分あるぞ、ワシの馬を持って行け」
「かならず、必ず生きて帰ってくれよ」
「ありがとう、町長」
「マクドーウェル一家を倒して、かならず生きて帰ってくるぜ」
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「あれがグラニー鉱山か…」
「さすが、金鉱だけあって警戒が厳重だな、さて、どうやって…」
「動くんじゃねぇ!」
「!!」
「こんな所をうろついてるようじゃ、さてはおめぇ〜、ろくなモンじゃねぇな」
「手を上げて、ゆっくりこっちを向きな!」
「銃と馬、それに食い物も置いて、とっととうせるがいい!」
「…!!」
「俺の記憶が正しけりゃ、お前さんのその黄色いスカーフはクルーラ一家だな」
「おめぇ、何モンだ!」
「…!!おぉッ!」
「そういう、おめぇの真っ赤なスカーフはオルドン一家!」
「クルーラ一家とオルドンオルドー一家と言えば親戚の間柄」
「お前さんの顔のキズのほとんどは、夫婦喧嘩だってなぁ」
「!!なに!」
「それを知っているのは…親分と…」
「おぉ!チュロッキー!」
「生きてたのか!チュロッキー!」
「まさかおめぇ〜さんだったとは気が付かなかったぜ!」
「久しぶりだなキッド!」
「また、顔のキズが増えたなww」
「なるほど、お前さんがここにくるってこたぁ〜、親分の仇討ちというわけか」
「言っておくが、ココの警備は厳重だぜ」
「西部一といわれるお前さんでも無理だな」
「どうだい、俺と組まねぇか?」
「こいつは俺の喧嘩だ、お前さんには迷惑かけられねぇ」
「おっと、そいつにゃ及ばねぇ〜、あんたとオレは兄弟分さ」
「いや〜なに、実のところ、オレはココで取れた金を奪いに来たのさ」
「あんたは親分のカタキをとる、オレは金をいただく、って訳さ」
「しかし、警戒は厳重だ、二人ぽっちじゃ、どうにもならねぇ」
「まだ完全に記憶がもどってねぇな、チュロッキー」
「こいつを、忘れちゃいけねぇよ」
「ダイナマイト!!」
「そうか、すっかり忘れちまってたぜ!キッド」
「西部一の壊し屋、ダイナマイト☆キッド」
「こいつがありゃ、どんなに警戒が厳重でも意味無ぇぜ!」
「今夜…、今夜そいつでおお暴れだ!」
「見張りが2、いや塔の上にもう一人、3人か」
「離れのテントが、奴らのアジトだな」
「様子はどうだい?」
「見張りは3人、採掘した金は2番テントだな」
「ホントか!探す手間が省けたぜ!」
「しかしどうも、様子がへんだ」
「見張りが少なすぎる…」
「まぁ、とにかく行ってみようぜ!」
「俺は金を盗ったら、ダイナマイトで見張り塔を吹っ飛ばすから、その隙に町の連中を助けてやってくれ」
「ココがドン・マクドーウェルのテント…」
「親分、カタキは必ずとりますぜ!」
「捜したぜ、マクドーウェル! ココであったが100年目、いや3年目!」
「親分のカタキだ!俺と勝負しろ!」
「はっはっは、久しぶりだなチュロッキー君」
「君が生きていたとは、驚きだったよ」
「しかし今は、勝負どころではないと思うがね…」
「なぜなら私との対決よりも、町の人を助け出すこともまた、君の目的だからさ」
「…」
「もう、ここは用無しだ、むろん町の連中もね、
金鉱と一緒に埋まってもらうのさ、君達オルドー一家と同じようにね、はっはっはー!」
「!!!、なっなに!」
「ちくしょー、勝負は一旦おあずけだ!」
「わしらをどうするきなんだ!」
「ふぇっふぇっふぇー!」
「もう、ここじゃ金は取りつくしちまったから、おめぇ達は用無しさ!ふぇっふぇー」
「それに、お前ぇ達にはたっぷりと保険をかけてあるからな」
「ここで事故に見せかけてあの世へ行ってもらうわけよ、ふぇっふぇー」
「相変わらず、ひでぇ野郎だなマグフライ!」
「あの世へ行くのはおめえの方だぜ!」
「げげげ!その声はチュッチュロッキー!」
「ヤツは死んだはず!誰だ!姿を見せろぃ!」
「この通り、おれは死んじゃいないねぇぜ!」
「また一段とメタボリックが進んだなぁ、あっはっはー」
「おとなしく銃を捨てなマグフライ、そうすりゃ命だけは助けてやるぜ」
「うるせーヤイ!こっちには人質がいるんだぜ!」
「こういう時、映画の主人公はどうするか分かってんだろ!」
「銃を捨てるのはお前ぇの方だってことよ!」
(そのとき、突然地響きが…)
「な、なんだ!ん、なんだ!」
(炭鉱の外で見張り塔をキッドがダイナマイトで破壊していたのだ!)
(大音響とともに崩れ去る見張り塔)
(一瞬の隙を突いて、倒れこむと同時にチュロッキーは引き金を引いた!)
「命はもらった!マグフライ!」
「おぉぉーOOOH!んんのぉぉおーNNNO!」(OH!NO!)
(チュロッキーの弾丸はマグフライの眉間を貫いた!)
「…」
「さぁ、早くココから逃げるんだ!じきにココも崩れるぞ!」
「ありがとうございます!チュロッキーさん!」
「おかげで命拾いしましたぜ、この礼は必ずしやすぜ!」
「なぁ〜に、いいって事よ」
「そんな事より、さぁ!はやく!」
「待てー!ちょっとぐらい金を置いて行けー!」
「あっはっは!コレは私の金だろうがバカモノ!」
「欲しかったら、追いかけてくるんだな!あっはっは!」
「ぐぐぐっ…」
「結局、一文にもならなかったぜ」
「おぼえてろよ、マクドーウェル!」
「あっはっは!チュロッキー君さらばだ!」
「今日のところは見逃してやるぜ、マクドーウェル」
「てめぇの寿命が少し延びただけよ」
「どこまでも追いかけて地獄に送ってやるぜ!」
(一月後、ドナーズの町)
「ココもずいぶん活気がもどったな〜」
「やっぱり町ってのはこうでなくっちゃなぁ」
「やぁ!チュロッキー!調子はどうだい?」
「やぁ、ポデリン町長」
「あんたのお陰でこの町も活気を取り戻したよ」
「なんて、礼を言ったらいいか言葉が見つからん」
「何を言ってるんだ町長、いい町になったのもココの人たちの努力さ」
「しかしなぁ、チュロッキー…」
「町に活気が戻ったのはいいが、この辺は金脈が多い…」
「また、金の採掘でこの町も大きくなるだろう、そうしたら、またヤツが戻ってくるんじゃないかと」
「ワシはそれが心配なんじゃ…」
「町長、その心配は無用だぜ!」
「キッドがあいつの行方を追っている、じきに居場所も分かるだろう」
「そうなりゃ、ヤツの命もおしまいよ!」
「オレが生かしちゃおかねぇ!」
「おまえさんがそう言ってくれたら安心だチュロッキー」
「しかし、くれぐれも用心してくれよ」
「マクドーウェルもなかなかの腕前らしいじゃないか」
「よう!ポデリン町長、チュロッキー、今帰ったぜ!」
「おぉ!キッド!今お前さんのウワサをしてたところなんじゃ」
「どうだ、マッマクドーウェルの居場所は分かったのか?」
「あっはっは、町長、マクドーウェルに早く死んでもわらねぇ〜とおちおち寝れねぇ〜な!」
「安心しな、やつの居所が分かったぜ!」
「オレの子分のジャッキーがバーキングの町で見かけたらしい」
「意外と近くなんで驚いたぜ」
「なるほど、あそこには腕のいい鍛冶職人が大勢いるからな」
「大方、採った金を延べ棒にでもしてるんだろ」
「今度こそ金をいただくぜ!
「もちろん今すぐ行くだろう?!」
「明日でもいいが、おめぇがそう言うならそうしようww」
「そういうわけだ町長、すまねぇが、また馬を貸してくんねぇ」
「あぁ!いいとも!そんなことはお安い御用だ!」
「しかし、また行ってしまうんじゃなぁ〜」
「お前さんばっかりに苦労をかけてすまんのぉ」
「何を言ってやがるんだい、町長!」
「あんたはしっかりと町の為を考えてくんねぇ」
「ありがとうよ、チュロッキー」
「ニコ、おめぇもしっかり勉強するんだぜ!」
「チュロッキー!カムバーック!」
(コルトSAAに詰められた弾を数えてみればあと4発、親分の仇もあと4人、
親分の仇を探してどこまでも、
どこまでも続く長い道のりを夕日に向かって歩き続けるのでありました)
つづくかも
「神よ、俺はいつだって先に銃を抜いたことは無いぜ…」