兵庫県動物愛護センターの取り組み :: デイリーSKIN

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[2008年04月29日00時00分00秒]
兵庫県動物愛護センターの取り組み

関西に住んでいても中々足を踏み入れない場所や、知っていても行った事がなかったり、Deepな人の溜まる場所であったりと様々なDeepな関西を紹介するDeep関西!


久々のDeep関西です。

6月に入り、皆様いかがお過ごしでしょうか?

朝夕の気温の変化が激しいですが、お体お気をつけて下さい。

さて、今回は兵庫県の尼崎市の武庫川沿いにある県立の施設、

兵庫県動物愛護センターをレポートさせて頂きました。


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃『兵庫県動物愛護センターの取り組み』
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




兵庫県動物愛護センターホームページ
http://web.pref.hyogo.jp/hw32/hw32_000000003.html

詳しい場所やアクセス方法はホームページに記載されておりますのでご参照下さい。


まず最初に、この施設は一体何をするところ?
素朴な疑問から紐解いて行きましょう。

ここの所長さんである、菊池豊彦氏に施設の案内をして頂きました。
ここの施設、楽しいアイデアが満載で立地条件も武庫川のほとりに位置し、ロケーションは抜群です。

お弁当を持ってピクニックがてら行くのは最高にお勧めの施設です。
しかも入場料は無料!、駐車場も無料です。そして何より、動物達と触れ合えるのが嬉しいですね!

お子さん達だけではなく、ご家族はもちろん、カップルや友達同士で、楽しく遊びながら動物達の事を、真剣に学ぶ事が出来る施設なのです。



施設案内の看板

敷地は広く、芝生のスペースもあり、天気の良い日にはお弁当持参で行けば最高に気持ちが良い事間違いない!

クリックで拡大

芝生の広場や噴水、ベンチ、そしてペットのワンちゃんを繋いでおく専用の場所まで備えられている。


ワンちゃんを繋いでおくスペース

さらに施設中央部分には展望台も設けられていて、冬になると鴨等のたくさんの水鳥達が群れをなし、見ることが出来るようだ。この水鳥達の勇壮さは格別のようだ。案内してくれた所長さん(菊池さん)がおっしゃっておられました。



展望台(下は設備棟)





展望台の上部はこんな感じ。
ここから眺める武庫川の景色は最高!




展望台から眺める武庫川の景色!冬場には鳥達が群れをなして訪れるようだ。

かなりの好ロケーション。

ちょうど、中央に位置する展望台付近から紹介してしまったけど、北側から管理棟、愛護棟、設備棟(展望台)、ふれあい館、と構成されている。


愛護館

中央にいる人は案内してくれた所長さんの菊池氏

ここでは動物愛護思想啓発講習会や動物の適正飼育啓発、県民フォーラム(県民が集える場所)等が行われている施設になります。




中に入ると、人と動物達の関係や動物の歴史、動物(イヌ・ネコ・トリ)の目線は一体、どんな風に感じる事が出来るのか体験することが出来る。かなりのハイテク装置が設置されていてとても勉強になる。


中でも特に面白かったのがイヌ・ネコ・トリの目線はどんな風になっているのかがわかるモニターだ。普段、あまり考えた事が無かったので興味津々だ。




このイヌ・ネコ・トリの大きなヘルメットのような物の中にはTVモニターが設置されており、それぞれの目線で映像が映し出されている。





イヌの視覚、イヌの動体視力や暗い場所での視力はヒトよりもはるかにすぐれています。一方、静止するものを細部まで明確に見る事は苦手です。識別できる色も少なく、青紫色や緑色、あとは、灰色(黒)のコントラストとして認識しているようです。ちょうどこんな感じですね。

後はネコとトリがどんな風に世間が見えているのかというのが体感出来るようになっている。
中々面白くて興味深い。






この水晶玉のような物の前に立つと、光り出し、動物が映し出されてくる。




何やら映し出されてきました・・・



するとネコの映像がぼんやりと映し出されてきました。
ここからナレーションが入り、映像とナレーションで動物達の歴史が解説されているという仕掛けがされていた。

子供たちに分かりやすく解説されていました。





少し分かりにくいですがホログラムが使われており、立体的な映像が楽しめ、不思議な感覚でした。






ここでは3択クイズ形式で子供達に分かりやすいように、楽しみながら仔犬の育て方などをレクチャーしてくれる。


かなりハイテク装置?



この小さな部屋は、目の不自由な人と同じ状態になれる部屋です。
入ると部屋が暗くなり、盲導犬のハーネスを持って目の不自由な方の感覚を体感出来るという部屋になります。

自動車の音、雑踏の音などが聞こえてくるようになっているようです。

これらは全て無料。
使わない手はないですね。

他にもふれあい館ではワンちゃんと飼い主さんが一緒になってしつけ方を学んだり、とても可愛い仔犬達を実際に触ったり出来るふれあい教室が行われていたりします。


動物とのふれあい教室



しつけ指導教室はこのセンターの職員さんや民間のインストラクターさん達がしつけ指導を行っているようです。費用は実費なので格安です。大体、¥1000〜¥2000以内との事です。安い!



全て説明するとかなり長くなってしまいそうなので、施設の説明はここらへんにしておきます。

この兵庫県動物愛護センターを訪れる前、個人的なイメージとして保健所の延長?のようなイメージでした。平たくいえば ”殺処分W を待つイヌやネコ達の捕獲収容施設のようなイメージと言えば良いのでしょうか、そんなイメージでした。

事実、このセンターの業務内容をホームページで見れば、そういった業務も行っているようですし、殺処分はここでは行われていないのですが、犬、ねこの引取り(一部を除き、引き取った犬、ねこは処分となります)も行われています。

それ以外では、狂犬病予防対策や動物由来感染症の調査研究、動物に関する相談とあらゆる動物に関する研究や情報提供や開示が行われています。

所長の菊池豊彦氏に直接、お話をお伺いすることが出来ました。
いくつか質問を用意して行きましたので質問形式でお話を伺えました。



★職員の方々が処分されて行く動物達を見て何を思いますか?

菊池所長:無責任な飼い主に対しては言葉では言い表せない程に憤りを感じています。ここで収容される動物達を全て助けてあげたい気持ちは持っていますね。

ここにあるのは “現実W なのです。


話を聞いていて、菊池所長の真剣な眼差しに圧倒されそうだった。

『無責任な飼い主に対しては言葉では言い表せない程に憤りを感じています』

静かに語ってくれた言葉の裏には所長、本心の ”憤りW を伺える事が出来、言葉では言い表せない重みも感じた。いきなりタブーに触れて怒らせてしまったかと焦ったがそうではない。本気でそう感じていると思った。

菊池所長は静かに続けた。

無責任な飼い主や、ペットの飼い方を知らないのも責任の一つだし、全てはヒトが起こした問題なんですよ、それらを指導したり知識を普及するのが行政の役目だと思ってます。特に私どもはこの施設を基盤にしてそういった運動を展開し、邁進するしかないのですよ!


★現在の行政の在り方について

動物を処分することへの批判は受け入れます。
こういった職業についたからには批判も十分に考えれることです。ペット達は人間に改良され続けて今に至っている訳です。動物に対する責任を果たす意味でも、もっと動物の生理、生態を知り、理解して飼い主が責任を自覚して動物の事を学ばなければ殺処分という悲劇は無くならないのでは無いでしょうか?

阪神・淡路の震災時には1552頭の犬や猫、その他動物の救護も行い、獣医師会との連携や譲渡希望者を募り、1552頭のうち約400頭は元の飼い主さんに返すことが出来、残りの1200頭に関しては飼い主を見つける運動をして1年半かかりましたが、最後の1頭も飼い主を見つける事が出来ました。

しかし、通年に引き取りなどを求め来られる犬、ネコは8000頭にも及びます。これら全ての動物を救うことは現実的に無理なのです。



★動物愛護団体について、意見や反論はありますか?

考え方は理解出来ます。
それにもっとやってほしいとも思います。ただ、同じ動物愛護団体間同士の連携が何故出来ないのでしょうか?何とかならないものですかね。
県民運動の一環として一緒に様々な運動を行っていければ良いと思います。

飼い方、知識、教育、普及、啓発も含めて行えればいいですね。当センターでは小規模ですが、そういった運動をすでに行っています。



★動物の権利についての考え方!

権利についてはそういった見方はしておりません。
人間もペットも生きる権利や幸せになるのは一緒ではないでしょうか?



なるほど!
よく理解しました。

そうですね、本当にそうですね。
人もペットも同じく幸せになりたいと思う気持ちは同じですね。

もっと色々とお話をして頂いたのですが、容量の関係上、大筋をまとめて掲載しています。

武庫川沿いにある兵庫県動物愛護センターの支所として兵庫県動物愛護センター龍野支所兵庫県動物愛護センター三木支所がすでに運営されている。

インタビューを終え、管理棟を案内して貰いました。
一般の人は中々立ち入り出来ない場所です、この兵庫県動物愛護センターが行っている研究や様々な施設があり、興味深く見ることが出来ました。

処置治療室

ここは怪我をした犬やネコの治療をする部屋です。

研究室1



この研究室では動物由来の感染症の研究や、狂犬病の研究などが行われている。その他にも手術室などが完備されており充実した施設になっている。

そして譲渡される仔犬達の厩舎も!
清潔で可愛らしい仔犬達が、新しい飼い主さんを待っている。
扉を開けると元気にはしゃぎ回っていました。

譲渡犬室



可愛すぎ!!!
たまりませ〜〜〜ん!



みんな元気に近寄って来てくれました。
触る事は出来なかったのが残念・・・・・

この仔達は幸せな仔たちなんです。
譲渡希望者がきっと見つかると思います。

みんなとても可愛らしい仔達ばかりでした。
ご希望される方は一度、センターに問い合わせしてみてはいかがでしょう。
但し、譲渡を受けるにあたっては審査のようなものがありますので譲渡希望される方は詳しいお話をメールで聞いて下さい。


そして次に案内された所が ”収容室W と呼ばれている部屋です。
感の鋭い人ならもうおわかりかと思います。ここは処分される犬達を収容する部屋になります。残念ながら画像は撮影しませんでした。

所長さんも出来れば止めて欲しいとの事でした。

実際にこの部屋に入ると、檻の中に入れられている犬や猫達の表情は言葉では言い表せない表情をしておりました。扉を開き、中に入ってもどの仔も鳴いたりしないのです。

ただ、じっとこちらを何とも言い難い表情で見つめているのです。
どの仔も鳴かないのです。一言も鳴き声を発せずにただ、何とも言えない表情でこちらを見つめている犬達。

頭を少し下げ、瞳の奥には脅えたような眼差し、しっぱを少し丸めこれから自分がどうなるかを完全に理解していると思える表情と言えばよいのでしょうか?

詳しいサイトがありますのでご参照下さい。。
動物たちへのレクイエム


写真で見てもかなりショックだ。
上に記載したサイトの画像そのままの表情だった。

実際にその収容室を見た感想を言えば、画像より伝わるものは大きい。
あまりにもショックが大きい。見なければよかった。



ここが殺処分を待つ犬達が入っている部屋 ”収容室W なのだ!




ほとんどの犬達は雑種のような感じはしなかった。
あまりにも直視出来なかった現実がここにあった。

この現実は全て人が引き起こしたもの、中には虐待を受け、人間になつかなくて不信感を持った犬もいるのだろう。そして最後まで人を信頼することなく、処分されてしまうなんて、何という現実なのか!

所長さんにインタビューした際におっしゃられていた

『無責任な飼い主に対しては言葉では言い表せない程に憤りを感じています』

あの時の所長さんの何とも言えない重い言葉が思い出される。

『ここにあるのは ”現実W なんです。』

所長の菊池豊彦氏(獣医さんでもある)

少し余談になりますが、この菊池所長さん、実は獣医さんだった。施設を案内して頂いている時にそうおっしゃられておりました。とても印象に残った言葉があるのですが、『獣医になるような人間なんて、動物が嫌いではなれないですよ』その言葉がとても印象に残りました。

きっと、行政に身を置く立場の人間として行政側の観点から意見や考えを言わなければならないとの使命感があったのでしょう。強くそれは感じた事です。


久々のDeep関西、いかがだったでしょうか?
最後は少し重くなりました。しかしこれも現実です。
こんな理不尽な現実はすぐにでも止めましょう。そしてこれから我々がしなければいけない事を考えましょう。ペットを飼う際は十分な知識を!

人と動物、特に犬に関しては昔ながらのパートナーです。
大多数の人はルールを守り、ペットと幸せに暮らしています。一握りの無責任な飼い主にならないように兵庫県動物愛護センターで色々と学んで下さい。楽しみながら学ぶ事が出来ます。







では、また来週!
来週もDeep関西をお送り致します。






ご協力頂きました、兵庫県動物愛護センターの所長さん、並びに取材協力して頂いた職員の皆様、ありがとう御座いました。






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