(ライターFT)
TPPで価格は、経済はどうなる。2
昨日はデメリットを中心にTPPを勉強してきましたが、メリットも多いのが事実です。
参加国のGDPの合計は約1100兆円(世界全体の13%)になる経済連携協定となり、これは確実に市場が広がることになります。今までは国と国の間で、自国の産業を保護する目的で関税が設定されていましたが、この関税がなくなることで、消費者は安く物が買えるということになります。
輸入品の関税が撤廃されることで、我々消費者はブドウ、キウイ、メロンなどの果物はすぐにも関税がなくなり、値段が下がるでしょう。
関税が即時撤廃されるものとして魚介類、魚介類加工品、生鮮野菜や果実、コーヒー、ひじき、落花生、くるみ、紙巻たばこ、コートやジャケットなどの洋服、織物類などがあります。
TPPにより輸出品の関税も撤廃され、日本の物を他国に輸出するときにも関税がなくなります。この分日本商品がが安くなり他国の購入者が買いやすくなることで需要が増えることが予測されますね。
現在カナダが自動車にかけている6.1%の関税は発効後5年目で撤廃され、オーストラリアのバスやトラックの関税5%が即時撤廃となり、輸出拡大が期待されます。
カナダやオーストラリアは日本酒に関税をかけていますが、これが即時撤廃となり、品質の良い日本製の物が世界で販売しやすくなるというメリットもあります。
デメリットとして国内産業の空洞化も危惧されていますが、すでに空洞化していますので、あまり大きな変化はないかも知れないです。関税をなくすことよりも外資をはじめとする規制緩和や税関手続きなどの非関税障壁をなくしたり、簡単にすることによる効果の方が大きいと言われています。
TPPが実現することで、ヒト、モノ、資本、情報が自由に行き来するようになり、環太平洋地域を世界でもっとも豊かな地域にすることに資すると内閣官房HPでは歌っています。
モノの関税以外にもさまざまな分野で自由化を進めるとともに、新たなルール作りを実現させることで、経済効果を潤滑に行うという大義名分があります。
高いものは富裕層しか買わない、でも高いものでも売れるのであれば、日本にも活路が見いだせるでしょう。しかし、収入の少ない世帯は、安いものを買う傾向にあります。ますますデフレから逃れられないというジレンマに陥る可能性は高いでしょう。
ここでキーワードになるのが、生産性の向上です。
例えば、下町ロケット ヤタガラスでも描かれていたような、無人トラクターなどが進化すれば、10人でやっていたことを三人でできるようになれば、価格を下げることは可能です。
日本品質の農作物を安く提供できるのなら、勝てるのではと考えてしまいますね。
そこには設備投資という難題がのしかかってきます。
もし、こうした技術がさらに進歩し、農業が楽になり、収入も上げることができるならまさにビジネスチャンスです。農業に参入する若者も増える可能性があります。
スイス企業・エコロボティクス(ecoRobotix)は、農業用の雑草除去ロボットを公開し、操縦士は必要なく、太陽光を動力に約12時間にわたり自律的に動く能力が備わっているとか。
スイス製かよ!
これは日本が率先して開発しないといけないのではないのか。
スマート農業が発展すれば、自由貿易主義も怖くない、日本の農作物の品質は紛れもなく世界最高品質なのです。
TPPをチャンスと捉えるか危機と捉えるかで、近い未来のあり方は変わってきます。
窮地に陥ると力を発揮するのが人間だと思っています。
ここで勝ち負けがあり、笑う人と泣く人が生まれるのは、TPPという仕組みの中で起こることになります。
時代が変化している。
この変化に日本人はどう立ち向かうのか、どう克服するのか、混迷の時代に入ります。
ますます格差が広がり、弱い者が淘汰されていく時代の突入です。
勝つのはいつも一つですが、勝ち馬に乗る為に我々はどう変化していけば良いのか、声から考えていかないといけないですね。