(ライターFT)
怒りと静寂 ノルアドレナリンとアドレナリン
アドレナリンは脳内での分泌がありません。ですので、昨日もお話ししたように、身体に作用します。それは自己防衛の為、体内に分泌されることにより、激しい腹痛でもアドレナリンにより、緊急事態には腹痛を止め、その時のトラブルなどに対応できる身体にしてくれます。
アドレナリンは精神的な作用は少なく、脳内への影響はほとんどありません。
さて、脳内に分泌されるノルアドレナリンという物質があるのですが、こちらが脳内に影響を与え、強い怒りやイライラという精神作用を引き起こします。アドレナリンは血圧上昇ややる気や恐怖心などの感情を生み出します。
イメージ的には負の感情に近いのですが、ノルアドレナリンが不足すると、うつや不眠、双極性障害などの精神疾患に関係があると言われています。
私が腹痛で自動車に危うく轢かれそうになった時、一瞬で血圧を上昇させ、筋力をアップさせ、腹痛を一次的に止めたのでしょう。その後はやはり激しい腹痛に教われ、公衆トイレで事なきを得ました。
ノルアドレナリンは身体ではなく、心に作用します。つまり脳に作用するということです。
緊張時や、不快な気持ちになった時、ノルアドレナリンが脳内に作用し、ストレスに対抗します。やはりこのノルアドレナリンが出ないと、ストレスに対抗できない精神状態になってしまうということになります。
ノルアドレナリンの特徴は、「やる気」「意欲」を高める反面「不安」「緊張」といった感情・精神状態とも深い関係があります。別名「怒りのホルモン」とも言われ、ストレスホルモンの一種と言われています。程度の悪い抑うつ状態で、やる気がでない、無気力状態の患者さんにとっては良いとされますが、普通に元気な人が無理にノルアドレナリンを増やす事はよくないという相反する結果になります。
怒りのシステムはノルアドレナリンが大きく作用しているということが分かりましたが、怒りをコントロールすると、体内ではどんなことが起こってしまうのか?
特に強い感情を抑えてばかりいると、心に闇ができやすくなります。
世間ではアンガーマネージメントで、怒りをコントロールする方法がセミナーなどで多く紹介されていますが、コントロールというのは、怒りを抑えるだけでなく、爆発させることも大切なのです。アンガーマネージメントで教えられる事は怒りの鎮め方がほとんどです。鎮めて忘れるというコントロール方法が主です。しかし鎮めてばかりいたら、ストレスがたまる一方です。
ここで怒りとは違う感情で、ストレスを放出したいと感じたら、泣くという感情が非常にストレス放出に良い方法になります。できれば、感動する映画などを鑑賞し、いい涙を出す事で、気持ちは驚く程にスッキリします。泣いた後はよく眠れる、そんな経験したことありませんか?
号泣した後のなんとも言えないスッキリ感、誰もが感じたことがあるはずです。
もう一つの方法は、怒ることです。
普段の生活の中ではコントロールして、怒りを鎮めることは大切です。人間関係をよりよくしたいのであれば、理不尽な人に対して、我慢する必要はありません。はっきり言うべきです。起こるべきなのです。自分が起こることが出来れば、相手は自分に対して、今後、理不尽な要求はしてこない確率が高いです。
パワハラ上司が調子に乗り、パワハラ行為がエスカレートして来たら、怒りを爆発させた方が効率良く、パワハラ行為をやめさせることができます。
もちろん、立場上の問題もありますが、権力を傘にパワハラ行為を続けられるより、その会社に居ることが出来なくなっても、うつ病や不眠症になることを思えば、思いっきりその対象の人物と対決すべきです。対決することで、最悪の状況に陥るかも知れませんが、自分の精神の健康は守れます。
長時間労働で、心を病み、パワハラ上司に罵られる日々を続け、最後は過労自殺するより、会社を辞める前にパワハラ上司に怒りをぶちまけたほうが精神には良いでしょう。
毅然とした態度で、立ち向かい、思いの丈をぶちまけスッキリして会社を辞めた方が絶対に死ぬよりいいです。
日本の社会は、長時間労働をさせようと政府は躍起になっています。労働基準監督署に訴えようとすぐに動いてくれません。
理不尽な言動を毎日されているのであれば、怒っていいのです。
それで会社を辞めるならそれでいいじゃありませんか。
死んでしまうよりマシです。
生活に困れば、対処する方法は必ずあります。それが自分にとって不本意でも、いつかいい方向へ向かうはずです。
怒りはとても大切な感情です。