(ライターFT)
恐怖の時代 フェイクニュース
世界中に溢れるニュース。もう、最近ではどれが本当でフェイクなのかも判断できない時代になるかも知れない。
話題のニュースはアクセスが集中し、広告収入も多く見込めるという事実が、海外のある過疎な街で流行っているらしい。
アメリカのトランプが大統領になった背景というのが、フェイクニュースにも原因があったなんて、
「ローマ法王がトランプ支持を公式に表明した」
「民主党候補のヒラリー・クリントンは、テロ組織IS(自称イスラム国)に武器を売却した」
「クリントンは、トランプが勝った場合には内戦を始めるつもりだ」
そこに一役買っているのがSNSというなんとも本末てんとう虫な結果となっている。
すでにフェイクニュースがビジネス化されているという。
マケドニアにあるヴェレスという町は、平均月収5万円と言われているが、そんな中、メルセデスやBMWなどの高級車が増えているらしく、そのドライバーは20代の若者ばかりだという。
彼らがどうやってお金を稼いだかというと、フェイクニュースを配信し、広告収入を得ていたのだ。
facebookで拡散したり、ツイッターでも拡散する。
非常に簡単で、過激なニュースなら一気に拡散は広がる。
つい最近の日本のニュースでも、フェイクニュースに近い内容の記事があった。ただし、この記事は事実を元にしているというのが、今までのフェイクニュースとの違いだ。
●東野幸治 事務所の後輩・ミキ昴生に激怒り…「女の子に手を上げるな!」
実はこのニュースはデイリースポーツで1月20日に配信したニュースですが、内容はニュースより転載して抜粋してみよう。
お笑いタレントの東野幸治(51)が20日、カンテレ「お笑いワイドショー マルコポロリ!」にMCとして出演し、事務所の後輩のお笑いコンビ・ミキの昴生(32)の振る舞いに本気モードで怒った。昴生は「めちゃくちゃや。バラエティーやろ」と反論するも東野は「座れ!」と制した。
東野は吉本興業について「だいたい500円もらって50円が税金で450円です」と返答。出演した漫才コンビのシャンプーハットは500円で、メッセンジャー・あいはらは「NGKの初舞台が750円」と語った。続いて、ゆりやんレトリイバァ(28)が答え、状況が激変した。
ゆりやんは指を7本示し、東野が当惑して「7万?」と尋ねた。ゆりやんは「7億」と恐る恐る答えた。東野は「すごいな。夢ある」とたたえた。しかし、昴生は「あかん。甘やかしすぎや。ふざけんな、お前は」と高給に嫉妬したように、ゆりやんの腕をたたいた。
これを見た東野は「手を上げるな」と低い声で一喝。昴生がかまわずにもう一度叩くと東野は「女の子に手を上げるな!」と早口で厳しく制した。東野の迫力に出演者は静まった。昴生が言い返そうとすると、東野は声を張り上げ、「お前、ええかげんにせえよ。真面目に言うてんねや!」と目を見開いた。
昴生は「めちゃくちゃや。バラエティーやろ」と反論。東野は「座れ!」と制した。あいはらは「東野さん、あれは真面目やからあかん。女の子に手を上げるとか嫌がるねん」と昴生を諭した。
このニュース、東野幸治がミキの昴生に本気で怒ったようにも思えます。
もちろん、ミキの昴生は本気でゆりやんを叩いた訳ではなく、加減している。実際は痛いくらいのキツさだったかも知れないが、このやり取りを見ていて、芸人同士のボケとツッコミだということは誰でも理解できる範囲だ。
ニュースだけを見ていると、この記事のライターは狙っているとしか思えない。
フェイクニュースもどきなのだ。
海外で本当のような全くのデマではなく、本当の出来事を、さも東野幸治がミキの昴生を先輩として、怒り、周りのタレントが戦慄したような空気感を描き、伝えている。
スポーツ紙のライターが書いた記事だからというのではなく、ニュースって、事実を客観的に、伝えるのが報道であり、このニュースに関して書き手のある種、狙いを感じる。大手スポーツ紙のよくやる手法だけど、スポーツ紙のフェイクニュースって、お遊びのようなやり方が多い。駅の売店で見出しだけを見せ、さも大変なことになっていると思い、スポーツ紙を買うと
これだけ見ると、“モー娘吉沢事故死!”
まじかよっ!
と一瞬思ってしまう。
でも、これもスポーツ紙のお約束だと思える、今までの背景と経緯がある。
スポーツ紙は、こうした見出しで騙すのは当たり前というのがまかり通っている。買う方も、分かって買い、記事を呼んで失笑するという事を自ら好んでいるようにも思える。
この記事の裏を見ると、“モー娘吉沢事故死16才弟”と書かれている。
誰もが、スポーツ紙のこうしたフェイクまがいのニュースを楽しむのだけど、今回のネットニュースは、東スポという背景がない。
デイリースポーツから配信記事というだけで、Yahoo!ニュースのトップに表示されていたのだ。
誰もがヤフーが配信していると思う。
最近のネットニュース、配信元だけでなく、ライターの意図も汲み取りながら記事を読まないと真実のニュースにたどり着けなくなってきている。
だからネットは信用できないと考えるのではなく、嘘か本当かを見抜く力をつけ、対抗する力も必要だと思う昨今だ。