(ライターFT)
君の名はで出てくる口噛み酒と猿酒
口噛み酒とは、米などの穀物やイモ類、木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して造る酒のことになる。
アニメ「君の名は」でも主人公が口噛み酒をつくるシーンがあり、2018年12月26日放送の「水曜日のダウンタウン」の企画「モンスターハウス」にて、安田大サーカスのクロちゃんが「キャバクラで口噛み酒ごっこやってる」と発言したことがきっかけとなり、全国的に知られるようになった。
しかしこの口噛み酒、私の年代では、「はじめ人間ギャートルズ」の猿酒を連想してしまう。
「はじめ人間ギャートルズ」では、サルにそれをさせ、飲むのですが、子供の頃にかなりショックなシーンだったように覚えている。
デンプンを持つ食物を口に入れて噛むことで、唾液中のアミラーゼがデンプンを糖化、それを吐き出して溜めておくと、野生酵母が糖を発酵してアルコールを生成するという仕組み。
日本では弥生時代に誕生していたらしい。
飲めません・・・
いくら美しい処女の口噛み酒でも無理です。
沖縄でも口噛み酒はあるそうで、ウマチーと呼ばれているそうです。その年に取れたお米を水につけてやわらかくしたあと、身を清めた女性が口の中で何度も噛んでクチュクチュした後にはき出す。それを容器に入れ、3日ほど寝かせると濁ったお酒になるという作り方らしいです。
しかし、これを販売してしまうと、酒造法に抵触する恐れがあります。
口噛み酒はアルコール度数5%程度になり、酒類製造免許が必要になります。
勝手に作ると怒られてしまうということですね。
以前、ある酒屋さんが独自でつけている梅酒を販売しており、飲ませてもらったことがあるのですが、店主より、「あくまでも個人的につけている梅酒」ということで、売り物ではないということでした。
これがまた旨いんです。
店主は笑いながら、「密造酒になるので」と言っておりました。
神事とはいえ、日本では密造酒になる口噛み酒、もし売られていれば、それは犯罪ということになります。皆様、注意してくださいね。