(ライターFT)
WBSS 井上の対戦相手
10月7日のファン・カルロス・パヤノ(34、ドミニカ共和国)を1ラウンド1分10秒で衝撃KO勝利は、井上の怪物っぷりを見せつけられました。凄いボクサーとしか言いようがない。しかしわからないのがボクシングです。
ウィキペディアでパヤノ選手を調べると、元WBA世界バンタム級スーパー王者で、スーパー王者とは、世界王座より上位のボクシングの王座。世界ボクシング協会(WBA)が2001年1月より始めた新しい制度(スーパー王者制度)で、この制度の元で認定された王者を、スーパー王者という。英語圏ではUndisputed Champion(議論なき王者)、またはUnified Champion(統一王者)と言われている。
2014年9月26日、テキサス州メスキートのメスキート・アリーナでWBA世界バンタム級スーパー王者アンセルモ・モレノと対戦し、2回にバッティングでパヤノが左目上を深くカットしてしまい、その傷が原因で7回開始前にドクターストップがかかり6回3-0(59-55、2者が58-56)の負傷判定勝ちを収め悲願の王座獲得に成功した。モレノ戦での勝利によりパヤノはWBA世界バンタム級スーパー王者としてランクインしたという経緯がある。
パヤノは弱いチャンピオンでは無いことは確か。
ただ、34歳という年齢や、井上のパンチの強さ、井上の運もあったと思います。そういった実力以外のことを考慮しても、パヤノを1ラウンドで沈めるというのは、信じられない出来事といえます。パヤノの戦績は18戦1杯、9KOというKO率5割の技巧派元チャンピオン。ネットでは弱いということが書かれていますが、決して簡単な相手では無かった。そのパヤノを壮絶KOで仕留めた井上が強すぎたというだけの話です。初戦がパヤノだったことも運が良かったのかもという声も多いが、WBSSは簡単に勝つことはできないトーナメントだったはずです。
そして次戦です。
次戦はエマニエル・ロドリゲス(IBF王者)VSジェイソン・モロニーの勝者と対戦となります。
エマニエル・ロドリゲス(IBF王者)が濃厚と予想されています。
エマヌエル・ロドリゲス選手はプエルトリコ出身の25歳。プロでの戦績は18戦18勝12KOと負けなしで、高いKO率を誇る選手で、井上と同格と言っていいでしょう。プロ入り無傷の17連勝のまま、今年5月5日、ロンドンで初めて世界タイトルに挑戦し、空位のIBFバンタム級王者決定戦で、同級4位ポール・バトラーと対戦し、1回にいきなりカウンターの左フックで、ロドリゲスがダウンを奪うが最終ラウンドまでの3-0の判定勝利で王座を獲得しました。ポール・バトラーは体重超過というロドリゲス選手が勝った場合のみ王者になるという変則ルールでしたが、それにも打ち勝つ強さでした。
ロドリゲスの対戦宛であるジェイソン・モロニーもかなりの選手です。1991年生まれオーストラリア出身、17戦17勝の無敗、その内14KOというKOマシーンです。どちらも無敗の選手です。5ラウンド以内によるTKO勝利が目立つボクサーです。ジェイソンはハードパンチャーというより、カウンターの名手といった印象が強いです。
前評判ではロドリゲス有利かと言ったところです。
とにかく見逃せないWBSSですが、井上が世界中が認めるスーパーチャンピオンになる日も近いのではと思います。